「面接に来た留学生が優秀だったから、来月から特定技能で採用したい」

「他社で技能実習を終えた外国人を、自社の即戦力として迎え入れたい」

慢性的な人手不足が続く中、すでに日本国内で生活している外国人材へのアプローチは、非常に有効な採用戦略です。海外から呼び寄せるよりもスピーディーに人員を確保できると期待する企業様も多いでしょう。

しかし、外国人は「内定を出せば明日から働ける」わけではありません。現在持っているビザ(在留資格)から、特定技能へ切り替えるための**「在留資格変更許可申請(変更申請)」**という高いハードルを越える必要があります。

この記事では、特定技能における「変更申請」の基本と、日本にいる外国人を採用する際に企業が陥りやすい実務上のトラップを解説します。


1. 「認定申請」と「変更申請」の決定的な違い

特定技能のビザ申請は、採用する外国人が**「今どこにいるか」**で手続きが全く異なります。ここを混同すると、採用スケジュールが大きく狂ってしまいます。

手続きの種類対象となる外国人審査のポイント
認定申請
(在留資格認定証明書)
海外に住んでいる人材を
日本へ呼び寄せる場合
特定技能の要件を満たしているか、
企業の受入れ体制は適切か
変更申請
(在留資格変更許可)
すでに日本国内にいる人材を
そのまま採用する場合
上記に加え、**「これまでの日本での在留状況(素行・納税など)」**が問われる

国内にいる人材の採用(変更申請)は、一見すると簡単そうに見えます。しかし実際には、「過去の日本での生活態度」という、海外人材にはない厳しい審査基準が追加される手続きなのです。


2. 変更申請の対象となる「2大パターン」と隠れたリスク

国内で特定技能へ変更するケースは、主に以下の2パターンに分かれます。それぞれに特有のリスクが潜んでいます。

パターンA:技能実習生から特定技能へ移行する

他社(または自社)で3年間の技能実習(2号)を良好に修了した外国人は、無試験で特定技能へ移行できます。

⚠️ ここが落とし穴!

前の職場で「住民税や国民健康保険」を滞納していないか確認が必要です。未納がある場合、ビザの変更は不許可になります。

パターンB:留学生から特定技能へ変更する

日本の専門学校や大学に通う留学生が、特定技能の試験(技能・日本語)に合格して就職するケースです。

⚠️ ここが落とし穴!

留学生時代に「週28時間」のアルバイト制限をオーバーして働いていなかったか、学校の「出席率」が悪くないかが厳しく審査されます。内定を出しても、過去の素行不良でビザが下りないケースは後を絶ちません。


3. 日本にいる外国人を受け入れる「5つのステップ」

変更申請をスムーズに進め、無事に就労を開始するための基本的なフローは以下の通りです。

  1. 在留カードと要件の確認(最重要)現在「何のビザ」で「いつまで」在留できるのかを確認します。あわせて、特定技能の要件(試験合格または実習修了)を満たしているか証拠書類をチェックします。
  2. 雇用条件の整備(日本人と同等以上)業務内容が特定技能の対象分野に合致しているか、給与水準が適正かを整理し、雇用契約を結びます。
  3. 支援体制の構築(自社 or 外部委託)特定技能1号で義務付けられている「10項目の支援」を自社で行うか、登録支援機関へ委託するかを決定し、支援計画を作成します。
  4. 変更申請の実施(入管へ提出)企業側の決算書類や納税証明書、外国人本人の課税証明書などを束ね、出入国在留管理庁へ提出します。
  5. 許可・就労開始無事に新しい在留カードが交付されて、初めて「特定技能」としての就労が可能になります。

4. 企業が直面する「見えない実務負担」

「日本にいるのだから、本人が自分でビザの変更をしてきてくれるだろう」

これは大きな誤解です。特定技能の変更申請では、外国人本人の資料だけでなく、**「受入企業の財務状況や社会保険の加入状況」**を証明する膨大な書類の提出が求められます。

また、登録支援機関に支援を委託する場合でも、彼らの役割はあくまで「生活支援」であり、法的な入管手続きの代理人ではありません。

結果として、社内の人事・総務担当者が慣れない書類作成や行政手続きに追われ、本業が圧迫される事態に陥りがちです。


5. 行政書士に「変更申請」を依頼するメリット

国内人材の採用において、最も避けるべきは**「採用活動に時間とコストをかけたのに、最後のビザ申請で不許可になり、人材を失うこと」**です。

申請実務を行政書士に委託することで、企業様には以下のメリットがあります。

  • 採用前の「ビザリスク」の診断: 候補者の経歴や納税状況から、変更許可の見込みをプロの目線で事前審査します。
  • 企業と登録支援機関の橋渡し: 誰がどの書類を用意するのか、役割分担を明確にしてプロジェクトを進行します。
  • 圧倒的な業務効率化: 複雑な理由書の作成や入管への出頭を代行し、担当者様の負担を最小限に抑えます。

まとめ:国内人材の採用は「スピード」と「事前確認」が命

日本に在留している外国人は、日本の生活や文化に慣れており、企業にとって非常に魅力的な即戦力です。

しかし、その採用を成功させるためには、「現在の在留資格の適法性」や「特定技能制度の厳格な要件」をクリアする緻密な準備が不可欠です。少しでも手続きに不安を感じられたら、内定を出す前の早い段階で専門家へご相談いただくことを強くお勧めします。


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